情報幾何学のすゝめ(参考書おすすめ)
情報幾何学という分野に興味が出てきて最近勉強しているので 使っている参考書の軽い紹介でもしようと思います.
情報幾何学の新展開
こちらは,情報幾何学の創設者であり第一線の研究者の甘利俊一先生著の参考書であります.
まず導入として,情報幾何が対象とする「多様体」とは何であるか, ニューラルネットワークを含む様々な例を通して説明しています.
続く章では確率分布の空間を主に考え,確率分布のようなよくわからないものでも,情報幾何学という武器を使えば 直観的な幾何学として最適化できます,といったことを丁寧に説明しています.
感想
この本は全体を通して,情報幾何学を直観的に要約して説明しています. 多様体を含むいろいろな厳密な定義を取り払って説明しているので,一見すると抽象的で難しい説明なのですが,じっくり読むと情報幾何学とは本質的に何かというイメージを理解する足掛かりとなってくれます.
一般的に言えることですが,このような要約というか直観的な理解はある程度基礎を学んでからやっとわかってくるものです. しかし,この本ではそのような説明をある種天下り的に説明してくれているので,大変有用な参考書だと思いました.
おすすめです.
情報幾何学の基礎
こちらは,情報幾何を多様体の定義から丁寧に説明している参考書です. 対象範囲は確率分布の幾何学について詳細な説明まで及んでいます.
リンク先は2021年発売で新しく見えますが,2015年に発行された本を別の出版社が発行したもののようです.
↓古い方
感想
こちらの本は先ほどの「情報幾何学の新展開」に比べると,多様体の定義から丁寧に説明しています.
多様体を一から学習しようとするとかなりの時間を取られますが,この本では多様体などの説明を必要最低限にとどめていてとても読みやすいです. 定義などもある種天下り的にまとめて定義されているので,必要な知識をぱっぱっぱと得ることができるのでおすすめです.
結論
最初の「情報幾何学の新展開」を先に読んでなんとなく情報幾何学の雰囲気を理解して,「情報幾何学の基礎」を読んで理解を深める読み方が入門としていいのかなと思いました.